「読んだ本の内容をしっかり覚えておきたい!仕事や人生に活かしたい!」と固く決意して、書店で真新しいノートとお気に入りのペンを買ってきたものの、いざ書き始めてみると数ページで挫折してしまった。
そんな苦い経験は、あなたにもありませんか。
きれいにまとめようと定規を使って線を引いてみたり、著者の主張をわかりやすく要約しようと頭を悩ませたり、自分なりの感想や今後のアクションプランを無理にひねり出そうとしたり……。
真面目に取り組もうとすればするほど、読書メモを取ること自体がとてつもなく重労働で面倒な作業になってしまいます。
その結果、「今日は疲れているから、メモを取る気力がない」と理由をつけて、読書そのものから足が遠のいてしまうのです。
机の上やベッドの脇には、いつか読もうと思って買ったはずのビジネス書や実用書、話題の小説がタワーのように積み上がり、いわゆる「積読(つんどく)」ばかりが増えていく光景を見るのは、本当に悲しくて自己嫌悪に陥りますよね。
私自身も以前は、読書メモに対する並々ならぬ憧れがありました。
「できるビジネスパーソンは皆、美しい読書ノートをつけているに違いない」と思い込み、気合を入れてイタリア製の高級なレザーカバーのノートと、インクの出が滑らかな万年筆、さらには重要箇所を色分けするための5色のマーカーや可愛いシールまで買い揃えたことがあります。
いわゆる「形から入る」タイプだったのです。
最初の1冊目は、休日の午後を丸ごと使って、それはそれは美しいノートを書き上げました。
まるで市販の参考書のように、見出しは青、重要キーワードは赤、自分への問いかけは緑、と色分けし、完璧な要約と長文の感想を添えました。
書き終えたときの達成感は凄まじく、SNSに写真をアップしたくなるほどでした。
しかし、その情熱が続いたのはたったの3日です。
平日の夜、仕事からクタクタになって帰宅した私に、あの完璧な「ノート作り作業」をこなすエネルギーは一ミリも残っていませんでした。
「また今度、休日にまとめて書こう」と先送りしているうちに記憶は薄れ、結局その高級ノートは、たったの3ページで記録がストップしてしまったのです。
本棚の隅に追いやられたそのノートを見るたびに、「自分はなんてズボラで意志が弱い人間なんだろう」「自分には読書から学びを得る資格すらないのかもしれない」と深く落ち込んだものです。
しかし、長年の試行錯誤の末に、私は一つの真実にたどり着きました。
実は、読書メモが続かないのは、あなたの意志が弱いからでも、ズボラな性格だからでもありません。
原因はただ一つ、「完璧を目指して、無意識のうちにハードルをエベレストのように高く設定しすぎていること」にあります。
人間の脳は、現状を維持しようとする強力な性質を持っています。
新しく「読書メモを書く」という習慣を取り入れようとするとき、そこに少しでも「面倒くさい」「難しい」「疲れる」という苦痛が伴うと、全力でその行動を避けようとするのです。
ですから、気合や根性に頼ってこの摩擦を乗り越えようとするのは、脳の構造上、最初から無理な相談だったのです。
この記事では、過去に何度も三日坊主を繰り返してきた生粋のズボラさんに向けて、読書メモのコツと、続かない悩みを根本から解決するための具体的な対策をお伝えします。
私たちが目指すのは、美しいノートを作ることでも、完璧な要約を残すことでもありません。
「いかに労力をゼロに近づけ、日常の中に溶け込ませるか」という一点に集中します。
気合や根性に頼らず、まるで息をするように自動で記録が続く、そんな究極の読書メモ術をこれから一緒に見つけていきましょう。
これを読み終える頃には、「これなら私にも絶対にできる!」と、今すぐ本を開きたくてウズウズしているはずです。
この記事のポイント
- 読書メモは1冊につき1行や一言だけで完了
- きれいにまとめる必要も後から見返す必要もなし
- ノートとペンは不要でスマホの音声入力が最強
- ベッドで寝転がったままできる準備ゼロの記録術
- 気合や意志に頼らず自動でメモが残る仕組み作り
読書メモが続かないズボラさんが捨てるべき「3つの思い込み」

読書メモを始めようとするとき、私たちは知らず知らずのうちに「メモとはこうあるべきだ」という、目に見えないルールに強く縛られています。
それは学生時代の黒板の板書だったり、テレビや雑誌で紹介される偉人たちのノート術だったりするかもしれません。
読書メモが続かないという悩みを根本から解決する対策の第一歩は、新しい方法を学ぶ前に、まずはこの完璧主義や過度なプレッシャーを心の底から取り除くことです。
まずは、あなたを苦しめている3つの重い思い込みをゴミ箱にポイッと捨ててしまいましょう。
そして、「もっと適当で、もっと雑でいいんだ」という大いなる安心感を手に入れてください。
SNSのような「きれいなノート」は不要
読書メモと聞いて、SNSや動画サイトなどで見かけるような、美しく装飾されたノートを想像していませんか。
バレットジャーナルのように美しく手書きされた文字、カラフルなペンで色分けされた見出し、きれいに揃ったインデント、さらには内容をひと目で理解できるような洗練されたイラストや図解まで添えられているような、まるで芸術作品のようなノートです。
あのような美しい記録を目にするたびに、「私もこんな風に自己管理ができたら、さぞかし素敵な人生になるだろう」と憧れを抱くのは当然のことです。
しかし、いざ自分がそれを真似しようとすると、文字を書くことや本の内容を反芻することよりも、「どうレイアウトすれば綺麗に見えるか」「どの色のペンを使うべきか」「ここで文字を間違えたら修正テープの跡が目立って嫌だな」といった、本質とは全く関係のないデザイン的な部分に頭のエネルギーを使い果たしてしまいます。
そして、あっという間に疲労困憊して「やっぱり私には無理だ」と挫折するのです。
きれいにまとめようとして疲れてしまうのは、あなたの目的がいつの間にか「読書による学び」から「美しいノート作り」へとすり替わっている明らかな証拠です。
ここで大前提として確認しておきたいのは、読書メモは、誰かに見せて評価をもらうための作品ではないということです。
あなたの読書メモは、この世界でたった一人、あなた自身のためだけに存在する、完全なプライベート空間であり、言わば秘密基地です。
ですから、字がミミズが這ったように汚くても、行が斜めに大きく曲がっていても、漢字が分からなくてひらがなばかりになっていても、ただの殴り書きや脈絡のない単語の羅列であっても、全く問題ありません。
むしろ、きれいに書こうとするブレーキを外して、頭に浮かんだことを生のまま吐き出したノートの方が、後から見たときに当時のリアルな熱量や感情が伝わってくるものです。
また、私自身も昔やってしまっていた失敗なのですが、「本のタイトル、著者名、発行日、全体の要約、心に残ったフレーズ3つ、今後のアクションプラン」という、非常に立派で網羅的なフォーマットを自作してしまうのは危険です。
いざ本を読み終わってその空欄を埋めようとすると、まるで学生時代に嫌々やらされていた夏休みの読書感想文や、会社で提出を義務付けられている業務報告書を書かされているような、重苦しい気分になります。
「要約ってどうまとめればいいんだっけ」「アクションプランなんて、特に思い浮かばないけれど、何か立派なことを書かなきゃ」と悩む時間は、ズボラな性格の人にとっては拷問以外の何物でもありません。
フォーマットの穴埋めは、自由な思考を奪い、読書を苦痛なタスクへと貶めてしまいます。
きれいに書くこと、定規を使うこと、そして決められた枠を無理やり埋めることは、今日から一切禁止にしましょう。
あなたのノートやメモアプリは、あなたの頭の中の散らかった思考や、ふと湧き上がった感情を、体裁を一切気にせずにそのまま投げ出すためのゴミ箱のような存在で良いのです。
ゴミ箱をきれいに整理整頓しようとする人はいませんよね。
ただ、ぽいっと投げ入れるだけで十分なのです。
「後で見返すため」という目的は捨てる

「せっかく貴重な睡眠時間や休日を削って読書メモを書いても、どうせ自分はズボラで怠け者だから、後からそのノートを見返すことなんて絶対にない」と、ふと虚しくなってしまうことはありませんか。
これは多くのズボラさんが抱える深い悩みです。
頑張って書いたノートを本棚の奥深くにしまい込み、あるいはスマホのメモアプリの深い階層に保存したきり、二度とそのページを開くことがない自分に気づくと、徒労感だけが残り、メモを取るモチベーションが一気に消え失せてしまいますよね。
過去の未熟な字や、薄っぺらい感想を見返すのがなんだか気恥ずかしい、という心理が働くこともあるでしょう。
この虚しさを完全に消し去るための最強の対策は、「読書メモは後で見返すために書くものである」という世間一般の大義名分を、思い切って根底から覆し、捨て去ってしまうことです。
実を言うと、読書メモの最大の価値や最も大きな効果は、後からパラパラと読み返すことにあるのではありません。
「本を読んで得た情報や感情を、自分なりの言葉に変換して、物理的に文字として書き出すという行為そのもの」にこそ、最大の意味があるのです。
人間の脳は、目で文字を追って理解したつもりになっているだけの情報は、驚くほどあっという間に忘れてしまうようにできています。
有名なエビングハウスの忘却曲線にもあるように、人は学んだことの大部分を翌日には忘れてしまう生き物です。
しかし、その情報を自分の手で書き出したり、声に出したりする出力のプロセスを経ると、脳はその情報を重要な情報に違いないと錯覚し、脳の奥深くにある長期記憶の引き出しへとしっかりと格納してくれます。
この出力するというたった一度のアクションを経るだけで、知識の定着率は劇的に跳ね上がるのです。
料理のレシピに例えてみましょう。
テレビの料理番組やレシピ本を見て、「この肉じゃが、美味しそうだな、作り方はこうなのか」と頭で理解しただけでは、いざ台所に立ったときに何も作れませんよね。
しかし、実際に包丁を握り、自分の手を動かして一度でもその肉じゃがを作ってみた経験があればどうでしょう。
次に作るときは、いちいちレシピの分量や手順を事細かに見返さなくても、体が手順を覚えていて、なんとなく美味しい肉じゃがを作れてしまうはずです。
読書メモも、これと全く同じメカニズムです。
ノートに文字を書いた瞬間、あるいはスマホにフリック入力した瞬間に、そのメモという物体の役割の8割はすでに終わっていると考えてください。
「書き捨てでOK」「書いた瞬間に、このメモは用済みになった」「二度と見返さなくても、私の脳の細胞が確実にアップデートされたからそれで大成功だ」というマインドセットを持つようにしてください。
この考え方を採用するだけで、「せっかく書いたのに見返さない自分」を責める必要がなくなり、心の重荷がすっと消えていくのを感じるはずです。
「全部メモしなきゃ」という義務感をなくす
ビジネス書や自己啓発本、あるいは実用書を読んでいると、「ここも大事なことが書いてある」「この理論も仕事で使えそうだ」「著者のこの熱いメッセージも一言一句逃さず覚えておかなきゃ」と、あれもこれもと欲張ってメモしたくなる全部盛り病に陥ることがあります。
せっかく高いお金を払って本を買ったのだから、書かれているエッセンスを一滴残らず吸収しなければもったいない、という貧乏性が働いてしまうのは、ある意味で自然な心理かもしれません。
しかし、著者の言いたいことの全体像や、目次に沿った完璧な要約を網羅しようとすると、必然的にメモの量は膨大になります。
1章読むごとに数ページものノートを書かなければならなくなり、時間がかかりすぎて途中で息切れしてしまいます。
大事そうなところを全部メモしようとして、情報過多でパンクして挫折するというのは、実は不真面目な人ではなく、真面目で向上心の高い人ほど陥りやすい危険な罠なのです。
そして、その読書メモは膨大な時間と労力を要する苦行であるというイメージが一度脳に刷り込まれてしまうと、新しい本を買ってきても「これを読むためには、またあの地獄のメモ作業をしなければならないのか」と無意識にブレーキがかかります。
その結果、本を開くこと自体が億劫になり、机の上に積読のタワーがそびえ立つことになるのです。
この強迫観念とも言える義務感をなくすためのコツは、メモを取るための基準を根本的に変えることです。
これまでは「著者が大事だと言っている客観的なポイント」を探そうとしていたかもしれませんが、今日からは「今の自分が主観的に面白い、あるいは役に立つと思ったポイント」へと、180度シフトさせてください。
どんなに世間で世紀の名著と呼ばれている本であっても、今のあなたの年齢、職業、悩みに合致しない情報は、容赦なくスルーして構いません。
ホテルやレストランの豪華なビュッフェを想像してみてください。
長机の上には、和食、洋食、中華から豪華なデザートまで、何十種類もの美味しそうな料理がずらりと並んでいます。
あなたはそのビュッフェ会場で、入り口から順に全種類の料理を少しずつ絶対にお皿に盛らなければならないと思うでしょうか。
そんなことをすれば、本当においしいと感じる前にお腹がパンパンになってしまい、食事の楽しさが苦痛に変わってしまいますよね。
通常の人は、「あ、ローストビーフが美味しそう」「今日はパスタの気分だな」「デザートは別腹だから多めに取ろう」と、自分がその瞬間に食べたいもの、心惹かれたものだけを選んでお皿に乗せるはずです。
読書も、これと全く同じです。
一冊の本は、著者が用意してくれた知識のビュッフェです。
あなたは、その中から今の自分にグサッと刺さったワンフレーズや、明日からすぐに仕事で使えそうな小さなノウハウをたった一つだけ見つけて、それを自分のものにできれば、その読書体験は大成功であり、元は十分に取れたと言えるのです。
自分に関係のあるほんの一部だけをつまみ食いすればいいという最小限の基準を設けることで、「全部読まなければ」「全部メモしなければ」という重圧から解放され、羽根が生えたように軽い気持ちで新しい本を開くことができるようになります。
限界までハードルを下げる!ズボラ向け読書メモのコツ

ここまでで、あなたの心の中にあった完璧主義の呪縛はかなり解けてきたのではないでしょうか。
ここからは、精神的なハードルを下げた上で、実際の行動としてのハードルを極限まで下げる、超実践的なコツをお伝えします。
ズボラな人が何か新しい習慣を定着させるための絶対的なルールは、「いかに労力をゼロに近づけ、無駄なエネルギーを消費せずにやった感を得るか」にかかっています。
分量の目安は「1冊につき1行(ワンフレーズ)」だけでOK
「後で見返す必要はないし、全部メモしなくてもいいのは分かったけれど、結局のところ、1冊の本につきどれくらいの文字数や分量を書けばメモしたと胸を張って言えるのだろうか」と、まだ不安に思っているかもしれません。
その疑問に対する答えは、非常にシンプルかつ明確です。
分量の目安はずばり、「1冊につき、たったの1行」、あるいは「一言」だけでOKです。
「えっ、たったの1行だけでいいの?」と驚かれるかもしれません。
しかし、騙されたと思って試してみてください。
このたった1行、心が一番動いた言葉を書き留めるという行為だけで、「私はこの本の読書メモを完璧に完了させた」と力強く認定し、盛大に自分を褒め称えてあげるルールにするのです。
たとえば、タイムマネジメントに関するビジネス書を読んで、「最も重要な仕事は、脳が疲れていない午前中の最初の2時間に終わらせるべきだ」という内容に感銘を受けたとします。
そうしたら、あなたのメモ帳に書くのは、「重要な仕事は朝イチの2時間でやる」という一言だけです。
著者の経歴や、なぜ午前中が良いのかという脳科学的な根拠、その他の細かいテクニックなどは一切書かなくて結構です。
長々とした文章で要約を書こうとしたり、気の利いた感想を練り上げようとしたりするから、途中で手が止まり、億劫になるのです。
私自身、かつては「最低でもノート見開き1ページは埋めないとメモとは言えない」と自分にプレッシャーをかけていましたが、ある時「要約なんてどうせ書けないから、一番しびれた言葉を一つだけ書き写すゲームにしよう」とルールを劇的に変更したところ、自分でも驚くほど記録が続くようになりました。
一言だけの短いメモは、一見すると情報不足のように思えますが、実は脳の性質をうまく利用した強力なトリガーになります。
後日、ふとその1行のメモが目に入ったとき、人間の脳は不思議なもので、その言葉に関連する前後の文脈や、本を読んでいたときのワクワクした感情、著者の情熱といった周辺の記憶を芋づる式にブワッと呼び起こしてくれるのです。
まるで、短いキーワードを入力するだけで大量の検索結果を返してくれる検索エンジンのような役割を、その1行が果たしてくれます。
詳細な要約を必死に書くよりも、たった一つの強烈なキーワードやパンチラインを残す方が、結果的に本の内容を鮮明に、そして長く覚えていることができるのです。
書くタイミングは「心が動いた瞬間」か「読後すぐ」

読書メモが続かない大きな要因の一つに、「いったい、いつ書けばいいのか分からない」というタイミングの迷いがあります。
本を読み進めている最中に、「あ、ここ大事だ」と思うたびに本を置いてノートにペンを走らせていると、読書のテンポが著しく悪くなります。
物語のクライマックスや、著者の論理が最高潮に達している没頭状態から強制的に引き剥がされるため、読書の醍醐味である爽快感が失われてしまいます。
かといって、「読書を中断したくないから、全部読み終わってから週末にまとめて書こう」と決めても、数日後にはどの部分に感動したのか内容も感情もすっかり忘れてしまっていて、書く気が失せます。
このいつ書くか問題というジレンマを解消するための最適なタイミングは、「心が動いた瞬間」と「読後すぐ」の二つに絞り込むことです。
まず、本を読み進めている最中に「ここは絶対に覚えておきたい」と心が震える一文に出会ったとします。
その時は、絶対にその場でノートを取り出して文字を書いてはいけません。
代わりにやるべきは、物理的なマーキングだけです。
一番手軽なのは、そのページの上の角を小さく三角形に折るドッグイヤーを作ることです。
「本を折るなんて信じられない」という本を大切にする派の方は、細い付箋をペタッと貼るだけでも良いでしょう。
このとき、「赤の付箋は重要、青は疑問」などと色分けのルールを作ってしまうと、またズボラ心が顔を出して面倒になるので、付箋は1色だけ、ただ無心に貼るのが鉄則です。
これなら、読書の心地よいテンポを崩すことなく、重要な箇所を脳の代わりに記録しておくことができます。
そして、本をパタンと読み終えた直後こそが、最大の勝負のときです。
まだ本の世界の余韻に浸っており、著者の熱量や自分の感動が冷めやらない、最も熱量の高い状態のときに、先ほど折っておいたページだけをパラパラと振り返ります。
「あぁ、そうそう、ここが面白かったんだよな」と思い出しながら、その中から今の自分に一番響いた最強の1行をたった一つだけ選び出します。
そして、それをサッとメモに書き出すのです。
コーヒーを一杯淹れながら、あるいはソファに深く腰掛けたまま、その1行だけを書き記す作業は全く苦になりません。
鉄は熱いうちに打てと言いますが、記憶も感情も最高潮に熱いうちに、最も手軽な方法で一言だけ残しておくことが大切です。
これが、ズボラな人にとって最も摩擦が少なく、かつ効果の高いベストなタイミングなのです。
準備ゼロ・寝転がったままできる最強のツール術と対策

読書メモのハードルを限界まで下げるためには、自分自身のマインドセットを変えるだけでなく、使うツールを根底から見直すことも非常に重要です。
面倒くさがりでズボラな自分をダメなやつだと責めるのではなく、むしろ優しく許容してあげてください。
そして、こんな自分でも意志の力に一切頼らずに自然と記録ができてしまう環境を、テクノロジーの力で整えてしまいましょう。
ここでは、究極にズボラなあなたのために用意された、準備ゼロでできる最強のツール術をご紹介します。
ノートとペンは封印!スマホの「音声入力」を活用
読書メモを取ろうとするときに立ちはだかる最初の障壁は、「わざわざノートとペンを取り出す」という、一見些細に見えて実はとてつもなく面倒な準備の手間です。
本を読んでいる最中に「よし、メモを書こう」と思った瞬間、「あ、お気に入りのペンが通勤カバンの中に入ったままだ」「ノートは別の部屋のデスクの上に置きっぱなしだ」と気づいたときの絶望感を想像してみてください。
その数秒の間に、ズボラな私たちの「やろう」という微かなモチベーションの火は、一瞬にして冷水でも浴びせられたように消え去ってしまいます。
準備がすでに面倒くさいという深い悩みを解決するための究極の対策は、物理的なノートとペンを思い切って完全に封印してしまうことです。
代わりに私たちが使う最強の武器は、今この瞬間もあなたの手の届くところにあるはずのスマートフォンです。
「なんだ、スマホのメモアプリにフリック入力するのか、それも結構面倒なんだけど」と思ったあなた、少し待ってください。
ズボラを極める私たちは、スマホの小さな画面でポチポチと文字を打ち込むことすら放棄します。
活用すべきは、現代のスマートフォンに標準搭載されている音声入力機能です。
やり方は拍子抜けするほど簡単です。
スマートフォンの純正メモアプリを開き、キーボードに表示されているマイクのアイコンをタップします。
あとは、先ほど本の中で見つけた最高の1行や、頭に浮かんだ感想を、スマホに向かって喋るだけです。
「この本の第3章の具体例がすごく面白かったから、明日の会議のプレゼンでそのまま使ってみよう」
ブツブツと、独り言を言うような声量で構いません。
すると、AIがあなたの声を認識し、驚くほどの精度とスピードで、画面上にスラスラとテキストが打ち込まれていきます。
ほんの数年前の音声入力は誤変換ばかりで使い物になりませんでしたが、今の音声認識技術の進化はまるで魔法のようです。
漢字の変換も文脈に合わせて完璧にこなしてくれます。
頭に浮かんだ思考を指の動きに変換して文字に打ち起こす作業は、私たちが想像する以上に脳のエネルギーを消費します。
しかし、喋るという行為は、私たちが日常的に息をするように行っているため、脳への負担がほとんどありません。
散歩しながらでも、お茶を飲みながらでも、寝癖のついたパジャマ姿のままでも、一瞬でアウトプットが完了します。
私自身、この音声入力の快適さに気づいてからは、読書メモにかかる時間が数十分の苦行からたった数十秒の魔法へと劇的に短縮されました。
喋るだけで記録が終わる、あの圧倒的な手軽さと全能感を、ぜひ一度体験してみてください。
もう二度と、ノートとペンには戻れなくなるはずです。
ベッドで寝転がりながら読書する時の対策

休日の夜、お風呂から上がり、ふかふかのベッドやソファでゴロゴロと寝転がって本を読む時間は、日々の疲れを癒やす至福のときですよね。
しかし、その重力から解放された最高にリラックスした体勢のままでは、とてもじゃないけれど「さあ、起き上がって机に向かい、読書メモを書こう」という気にはなれません。
ズボラな体勢のまま、指一本動かさずに記録したいというワガママな願いを持つのは、あなただけではありません。
ご安心ください、その願いを叶える方法も、もちろん用意されています。
もしあなたが紙の本を好んで読んでいるなら、手元のスマホのカメラ機能を最大限に活用しましょう。
気になったページ、心を動かされた文章を見つけたら、スマホをかざしてそのまま写真撮影してしまいましょう。
パシャッとシャッターを切るだけで、一瞬にして一言一句違わぬ完璧な読書メモの完成です。
「写真だと、後から文字として検索できないのでは?」と思うかもしれませんが、最近のスマートフォンは非常に優秀です。
写真フォルダに保存された画像内のテキストを自動で認識し、コピーとペーストができる機能が標準で備わっている機種が多くなっています。
寝転がったまま写真を撮っておき、翌日の通勤電車の中で、その写真からテキストをコピーしてメモアプリに貼り付ける、といった連携プレーもいとも簡単にできてしまいます。
一方、あなたが電子書籍アプリやタブレットで読書をしている場合は、事態はさらに簡単になります。
気になった文章を見つけたら、画面上のその文字を指でスーッとドラッグしてなぞり、ハイライト機能を使うだけです。
好きな色をつけておけば、後からアプリ内のマイノートなどの機能を開くだけで、自分がこれまでにハイライトした箇所だけが一覧でズラリと表示されます。
文字を書くどころか、喋る必要すらありません。
布団の温もりから一歩も出ず、重力に逆らうこともなく、指先をほんの数センチ動かすだけで記録が完了するのですから、これ以上ラクで洗練された方法はこの世に存在しません。
寝転がったまま読書メモが完結するこの方法は、重度のズボラさんを救う究極の対策と言えるでしょう。
気合に頼らない!自動的にメモが続く「仕組み」作り
最後に、過去に何度も「次こそは絶対に読書メモを続けるぞ!」と固く決心しては、数日で元の木阿弥に戻ってきた経験を持つ方に、大切なことをお伝えします。
もう、自分の意志の力を信用するのはやめにしましょう。
人間の意志の力というのは、スマートフォンのバッテリーと同じで、朝起きた時がMAXで、仕事で決断を下したり、人間関係で気を遣ったりするたびにどんどん消耗していく有限のエネルギーです。
夜、クタクタに疲れて帰宅した頃には、意志のバッテリーはすっからかんになっています。
その状態で「よし、メモを書くぞ」と気合を入れようとしても、無理なのは当然のことなのです。
本当に必要なのは、気合や根性ではありません。
意志のバッテリーがゼロの状態でも、無意識のうちに勝手に記録が残ってしまう仕組みを作ることです。
心理学の世界で、IF-THENプランニングと呼ばれる非常に強力な習慣化のテクニックがあります。
「もし〇〇という状況になったら、その時は自動的に△△という行動をする」というルールをあらかじめ自分の脳にプログラミングしておくことで、行動へのハードルを極限まで下げる手法です。
これを読書メモに応用して、自分なりの自動化ルールを作ってしまいましょう。
たとえば、「本を閉じてテーブルに置いた瞬間、必ずスマホの音声入力アプリを1回立ち上げる」というルールを作ります。
アプリさえ立ち上がってしまえば、「ついでに一言喋るか」という気になり、行動への摩擦はほぼゼロになります。
また、電子書籍のハイライト機能を活用しているなら、さらに高度な自動化が可能です。
特定の連携サービスを一度だけ設定しておけば、「ハイライトを引いた瞬間、そのテキストが全自動でデジタルノートに転送され蓄積される」という、夢のような仕組みを構築することができます。
あなたが本を読んで、ただ指で線を引いて楽しんでいるだけで、裏側では自動的にあなた専用の読書データベースが構築されていくのです。
これなら、そもそも「メモを取らなきゃ」と思い出す必要すらありません。
ズボラであることを自覚しているからこそ、環境とテクノロジーをフルに味方につけるのです。
気合ではなく、賢い仕組みを手に入れることで、あなたの読書ライフは劇的に豊かで実りあるものに変わるはずです。
今日から早速、1行だけの音声入力か、寝転がったままの写真撮影から、気軽な気持ちでスタートしてみてください。
ズボラで続かない人への読書メモ対策とコツのまとめ

まとめ
- 読書メモはきれいにまとめる必要はなく殴り書きで十分
- 後から見返す目的や全部を要約する義務感は捨てる
- 1冊につき心が動いた1行や一言を書くだけで完了とする
- 書くタイミングは本を読み終えた直後が一番ラク
- ノートとペンの代わりにスマホの音声入力で手軽に記録する
- 寝転がったまま写真撮影やハイライト機能を使って保存する
- 意志の力に頼らずツールで自動的にメモが残る仕組みを作る
- ズボラでもできる対策で読書メモのコツを掴み積読を防ぐ