春休みが近づくと、なんだかソワソワして「どこかへ旅行したいな」という気持ちがむくむくと湧いてきますよね。
コートを脱いで、軽やかな服装で出かけられるあの季節。うららかな陽気の中、非日常の時間を過ごすのは、私たちにとって最高のご褒美です。
でも、その一方で、春の旅行計画には、毎年決まって頭を悩ませる「お決まりの課題」がありませんか?
「春の旅行といえば桜だけど、有名スポットはどこも人でいっぱい…写真もまともに撮れないし…」
「何を隠そう、重度の花粉症。薬を飲んでも、外を長時間歩き回るのは正直つらい…」
「毎年お花見もいいけれど、少しマンネリ気味。SNSを見ても同じような写真ばかりだし、何か違う春の楽しみ方はないかな?」
もし一つでも、いや、ほんの少しでも「わかる…」と頷いてくださったなら、この記事はきっと、あなたのためのものです。
何を隠そう、私自身が長年、この「春旅のジレンマ」に悩まされてきた一人なのです。
数年前の春休み、意気揚々と京都へ桜を見に出かけたことがありました。
しかし、待っていたのは想像を絶する人の波。美しいはずの桜並木は、人の頭でほとんど見えず、食事処はどこも長蛇の列。おまけに花粉の猛攻撃で、撮った写真を見返すと、目が真っ赤に腫れた自分の顔ばかり…。
美しい思い出のはずが、正直「疲れた…」という記憶として残ってしまったのです。
その苦い経験から、翌年、私は思い切って「桜を追いかけない旅」を計画してみることにしました。
行き先は、桜の名所とは無縁の、静かな海辺の町。最初は少し寂しいかな、なんて思っていたのですが、どうでしょう。
そこには、今まで知らなかった快適で、心から満たされる春の時間の過ごし方が待っていたのです。
この記事は、そんな私の実体験も踏まえながら、「春休み旅行は桜以外」という、賢くて新しい旅のスタイルを提案するものです。
単に桜を避けるという消極的な選択ではありません。
あなた自身の悩みや本当にやりたいことに向き合い、最高の春休みを主体的に創り出すための、積極的な選択なのです。
さあ、一緒にあなただけの春を見つける旅に出かけましょう。
ポイント
・花粉や混雑を避けられる室内施設が豊富
・桜以外の春の花々(ネモフィラ、チューリップ)も見頃
・アクティブ派も満足のアウトドア体験が可能
・目的別(グルメ、アート、子連れ)のプランを提案
・桜の名所より旅費を抑えられる傾向
※画像にはイメージも含まれます
なぜ今「桜以外の旅」が注目されているのか?
最近、私と同じように「あえて桜を外す」という旅のスタイルを選ぶ人が、着実に増えているように感じます。
それはきっと、多くの人が同じような悩みを共有し、もっと自分らしい旅の形を求めるようになったから。
ここでは、その代表的な理由を3つ、もう少し深く掘り下げていきましょう。
悩み①:花粉や天候を気にせず旅行したい
春は心地よい季節ですが、花粉症の民にとっては、まさに「見えない敵との戦い」の季節ですよね。
薬を飲んで万全の対策をしたつもりでも、ふとした瞬間に始まるくしゃみの連鎖。鼻をかみすぎてヒリヒリするし、目はかゆくてこすってしまい、せっかくの旅行メイクも台無し…。
私なんて、ひどい時は思考能力が半分くらいになってしまう感覚さえあります。これでは、旅の楽しさも半減してしまいます。
また、春の天気は本当に気まぐれ。まるでご機嫌斜めな猫のようです。
週間天気予報を毎日チェックして、満開のタイミングで休みを取ったのに、当日は春の嵐。
満開の桜が、歓迎の桜吹雪ではなく、無残なサヨナラの桜吹雪になってしまった…なんて悲しい経験、ありませんか?
その点、美術館や水族館、グルメ巡りといった室内メインの旅なら、花粉も天気も完全にシャットアウトできます。
これは単なる「守りの旅」ではありません。むしろ、余計なストレス要因を排除し、旅の目的に100%集中できる「攻めの旅」と言えるのです。
自分の体調や天気に一喜一憂することなく、計画通りに、心穏やかに旅を満喫できる。この安心感は、何物にも代えがたい価値があります。
悩み②:とにかく人混みを避けてのんびりしたい
「せっかくの休みなのに、人混みで疲れるなんて本末転倒だ!」…心の底からそう叫びたくなったことはありませんか?
桜の名所は、春休みや週末になると、もはや観光地ではなく「イベント会場」と化します。
美しい桜並木のはずが、実際に見えるのは人の頭、頭、頭。
写真を一枚撮るにも、人が写り込まない一瞬を狙って神経をすり減らし、やっと撮れたと思ったら、知らない人がばっちりカメラ目線…。
カフェで一休みしようにも、どこも満席で「カフェ難民」に。昼食の時間もとうに過ぎ、空腹と疲れでイライラ…。
旅の時間は、私たちの日常における最も貴重な資源です。
その限られた時間を、行列に並んだり、人波をかき分けたりすることに費やすのは、あまりにもったいない。
桜の観光ルートから少しだけハンドルを切るだけで、驚くほど静かで、ゆったりとした時間が流れる場所が、日本にはまだまだたくさんあります。
行列に並ぶはずだった30分を、大切な人とのおしゃべりや、美しい景色を眺めてぼーっとする時間にあてる。
そんな、時間の「本当のぜいたく」を味わえるのが、「桜以外の旅」なのです。
悩み③:桜の名所周辺の「旅行費用高騰」を避けたい
これは旅の満足度を左右する、非常に現実的で重要なポイントです。
需要と供給のバランスで、人気が集中するところの価格が上がるのは世の常。
桜の開花時期、特に見頃の週末は、周辺のホテルや旅館の宿泊料金が、あっという間に1.5倍から2倍近くに跳ね上がります。
「この日程だと、いつもの定宿がこんな値段に…!?」と、予約サイトを見て愕然とした経験、きっとあるはずです。
しかし、見方を変えれば、これは大きなチャンス。
目的地を桜の名所ではないエリアに設定するだけで、この強気なハイシーズン料金を華麗にスルーできるのです。
これは単に「安く済む」という話ではありません。「同じ予算で、旅の質を格段に上げられる」ということなのです。
例えば、桜の名所近くのビジネスホテルに泊まる予算で、少し離れた場所にある露天風呂付き客室の宿に泊まれるかもしれません。
いつもは我慢するコース料理のディナーを、気兼ねなく楽しむことができるかもしれません。
その土地でしか買えない、ちょっと高価な伝統工芸品を、自分へのお土産として買うことだってできるでしょう。
賢く場所を選ぶことで、もっとお得に、もっと心豊かになれる。
これもまた、「桜以外の旅」が持つ、知られざる大きな魅力なのです。
【目的別】桜だけじゃない!春の旅行先アイデア5選
お待たせいたしました!いよいよここからが本題です。
「桜以外の旅って、具体的にどんな選択肢があるの?」というあなたの疑問に、全力でお答えします。
5つの目的別に、私が実際に訪れた場所も含め、心からおすすめしたい旅のアイデアを合計15個、具体的な楽しみ方やモデルプランと共に、たっぷりご紹介しますね。
①【インドア派】花粉・天候の心配無用!アートとグルメに浸る旅
まずは、花粉や天候の心配を一切せずに、自分のペースでじっくりと楽しみたいあなたへ。
知的で美味しい、五感を満たす大人のためのインドア旅のご提案です。
外の喧騒とは無縁の空間で、心ゆくまでアートや美食の世界に浸ってみませんか?
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金沢21世紀美術館でアートな休日(石川県)
ここは、いわゆる「静かに鑑賞する」だけの美術館ではありません。建物全体がアート作品のようで、どこにいても新しい発見がある、まるで知的な遊び場のような場所です。-
おすすめの過ごし方: 午前中に美術館へ。有名なレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》は、上から覗き込むだけでなく、ぜひ地下のスペースにも入ってみてください。水の中から地上を見上げるような、非日常的な感覚に包まれます。他にも、ジェームズ・タレルの部屋など、光や空間を体験するアートがたくさん。一通り楽しんだら、お昼はすぐ近くの近江町市場へ。海鮮丼のお店は行列必至ですが、「もりもり寿し」や「井ノ弥」などが有名です。午後は、石畳が美しい「ひがし茶屋街」を散策。金箔の乗ったソフトクリームを食べたり、伝統的なお茶屋さんで一服したりするのも乙なものです。
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アクセス: JR金沢駅からバスで約10分、「広坂・21世紀美術館」バス停下車すぐ。
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ワンポイント: 人気の展覧会はチケット購入に行列ができることも。事前に公式ウェブサイトでオンラインチケットを購入しておくとスムーズです。
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伊勢神宮 おかげ横丁で食べ歩き三昧(三重県)
「日本人の心のふるさと」伊勢神宮の内宮前にある、まるごとテーマパークのような町並みです。ここでは「花より団子」ならぬ「桜より食べ歩き」を、罪悪感なしで全力で楽しみましょう!-
おすすめの過ごし方: まずは厳かな雰囲気の伊勢神宮・内宮を参拝し、心を清めます。そして、いざおかげ横丁へ!まずは、焼きたての香ばしいお餅が入った「赤福本店」の赤福餅と番茶で一息。その後は、プリプリの伊勢えびを豪快に焼いたものや、松阪牛の串焼き、きゅうりの一本漬けなど、目移りするほどのグルメが並びます。私のおすすめは「豚捨」のコロッケ。小腹が空いた時に最高です。お昼は「てこね寿司」や「伊勢うどん」といった郷土料理をぜひ。
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アクセス: JR・近鉄伊勢市駅からバスで約15分、「内宮前」バス停下車すぐ。
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ワンポイント: 横丁内は石畳なので、ヒールよりも歩きやすい靴が絶対におすすめ。ウェットティッシュがあると、食べ歩きで手が汚れた時に便利ですよ。
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ポーラ美術館で自然とアートの融合を体感(神奈川県)
箱根の豊かな森の中に、まるで宇宙船がそっと降り立ったかのように佇む、光あふれる美しい美術館です。都心からのアクセスも良く、気軽に非日常を味わえるのが魅力。-
おすすめの過ごし方: 小田原駅から箱根登山バスで向かうのが便利。車窓からの景色も楽しめます。美術館では、モネやルノワールといった印象派の巨匠たちの絵画をじっくり鑑賞。教科書で見たことのある名画が目の前にある感動はひとしおです。鑑賞後は、ガラス張りのカフェ「TUNE」で、森の景色を眺めながら一休み。アートにちなんだ美しいスイーツも人気です。時間があれば、美術館の周りに整備された「森の遊歩道」を散策するのもおすすめ。春の柔らかな木漏れ日と澄んだ空気が、最高の癒やしになります。
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アクセス: 小田原駅から箱根登山バスで約40分、「ポーラ美術館」バス停下車。
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ワンポイント: ポーラ美術館だけでなく、「彫刻の森美術館」や「箱根ガラスの森美術館」など、箱根には個性的な美術館が点在しています。アート好きなら、美術館巡りをテーマにした1泊2日の旅も素敵ですね。
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②【絶景派】桜とは違う色の絨毯!春の花畑を巡る旅
「桜はもう見慣れたけど、やっぱり春らしい花の絶景は見たい!」そんなあなたには、桜とはまったく違う色彩が目の前に広がる、感動的な花畑の旅がおすすめです。
まるで絵本の中に迷い込んだような、圧倒的な色の世界に心を奪われてみませんか?
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国営ひたち海浜公園のネモフィラ(茨城県)
春の絶景として、今や桜にも負けないほどの人気を誇るのが、この青い花の絨毯。その感動は、写真で見るのとは比べ物になりません。-
おすすめの過ごし方: 見頃は4月中旬から5月上旬。混雑を避けるなら、開園直後の朝一番か、閉園間際の夕方の時間帯が狙い目です。丘の上まで登ると、ネモフィラの青、空の青、そして海の青が一体となる、言葉を失うほどの景色が広がります。ネモフィラにちなんだ青いソフトクリーム「ネモフィラブルーソフト」も、記念にぜひ食べてみてください。園内は非常に広いので、レンタサイクルやシーサイドトレインを利用して巡るのも効率的です。
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アクセス: JR勝田駅からバスで約15分、「海浜公園西口」または「南口」下車。
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ワンポイント: ネモフィラの見頃は、春休みからは少しずれますが、同じ園内で3月下旬から4月中旬にかけては、色鮮やかなスイセンやチューリップも見頃を迎えます。旅の時期に合わせて、主役の花を選ぶのも楽しいですね。
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なばなの里 チューリップまつり(三重県)
ここは、まさに「花の楽園」。国内最大級の広大な敷地に、約200種180万本のチューリップが咲き誇る光景は、ただただ「すごい!」の一言です。-
おすすめの過ごし方: チューリップまつりは3月下旬から4月下旬頃まで開催されます。様々な品種があるので、一つ一つの形や色の違いを楽しみながらゆっくり散策するのがおすすめ。園内には日帰り温泉「里の湯」や、地ビールが楽しめる「長島ビール園」も併設されているので、花を楽しんだ後に温泉で汗を流し、美味しいビールで乾杯!なんていう、大人のためのぜいたくな一日も過ごせます。そして、この施設のもう一つの主役が、日没後から始まる壮大なイルミネーション。花の美しさと光の芸術、両方を堪能できる、満足度の高いスポットです。
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アクセス: JR・近鉄桑名駅からバスで約10分、「なばなの里」下車。
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ワンポイント: イルミネーションの時間は非常に混雑します。少し早めに夕食を済ませて、点灯の瞬間を良い場所で待つのがおすすめです。
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あしかがフラワーパークの藤(栃木県)
桜の季節がクライマックスを迎える頃、静かにその出番を待っているのが、この大藤です。その幻想的な美しさは、一度見たら忘れられません。-
おすすめの過ごし方: 見頃は4月中旬から5月中旬。樹齢160年を超えるという大藤棚は、まさに圧巻。風に揺れる紫色の花のカーテンの下を歩けば、甘い香りに包まれて、うっとりするような時間を過ごせます。白藤やきばな藤のトンネルもあり、様々な藤の魅力を楽しめます。夜はライトアップされ、水面に映る「逆さ藤」は、昼間とはまた違う、妖艶な美しさです。
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アクセス: JR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」から徒歩3分とアクセス抜群。
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ワンポイント: 藤の見頃は、ゴールデンウィークと重なるため、大混雑が予想されます。可能であれば、平日の訪問を計画するのが賢明です。入園料は花の咲き具合によって変動するユニークなシステムなので、公式サイトで開花状況と料金をチェックしてから出かけましょう。
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③【アクティブ派】春の陽気を感じる!爽快アウトドア旅
「家でじっとしているなんて、もったいない!」そんなエネルギッシュなあなたには、心地よい春の風を全身で感じられるアウトドア旅がおすすめです。
冬の間に少しなまってしまった体を、思いっきり動かしてリフレッシュしませんか?
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山梨・河口湖周辺で絶景グランピング(山梨県)
アウトドアは好きだけど、テントを立てたりするのはちょっと面倒…。そんなわがままを叶えてくれるのが、このグランピングです。-
おすすめの過ごし方: 施設に到着したら、まずはウェルカムドリンクで一息。準備された豪華なテントやキャビンに荷物を置いたら、早速周辺の散策へ。河口湖の湖畔を歩いたり、近くの「カチカチ山ロープウェイ」で絶景を楽しんだり。夕方からは、お待ちかねのBBQタイム。新鮮な地元の食材がセットになっているので、焼くだけで豪華なディナーが完成します。夜は、パチパチと燃える焚き火を囲んで、ホットワインを飲んだり、満点の星空を眺めたり…。都会では決して味わえない、特別な時間が流れます。
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アクセス: 富士急行線河口湖駅からバスやタクシーを利用。施設によっては送迎サービスがある場合も。
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ワンポイント: グランピング施設は、それぞれコンセプトが異なります。「温泉付き」「ペット同伴可」「アクティビティが充実」など、自分たちの目的に合った施設をじっくり選ぶのが成功の秘訣です。
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伊豆高原でハイキング&絶景カフェ(静岡県)
都心からのアクセスも良く、海と山の両方の自然を手軽に楽しめるのが伊豆高原の魅力です。初心者でも楽しめるハイキングコースが充実しています。-
おすすめの過ごし方: まずは伊豆のシンボル、大室山へ。リフトで一気に山頂まで登れば、360度遮るもののない大パノラマが広がります。山頂の噴火口跡をぐるりと一周する「お鉢めぐり」は、所要時間20〜30分ほどで、空中散歩をしているような気分を味わえます。その後は、城ヶ崎海岸へ移動。約9kmにわたるハイキングコースの一部を歩き、名物の「門脇つり橋」を渡ってみましょう。海面からの高さ23mは、なかなかのスリルです。ハイキングで心地よい汗をかいた後は、お待ちかねのカフェタイム。「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」内にあるカフェなど、海を見下ろす絶景カフェで、美味しいスイーツと共に旅の思い出を語らう時間は格別ですよ。
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アクセス: 伊豆急行線伊豆高原駅を拠点に、バスを利用して各スポットへ。
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ワンポイント: ハイキングをする際は、動きやすい服装とスニーカーが必須です。また、海沿いは風が強いこともあるので、ウィンドブレーカーのような羽織るものが一枚あると安心です。
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しまなみ海道で海風サイクリング(広島県・愛媛県)
「サイクリストの聖地」と聞くと、本格的な装備が必要なように感じますが、心配はご無用。しまなみ海道は、世界で最も初心者に優しいサイクリングロードの一つです。-
おすすめの過ごし方: 初めてなら、全ての島を渡り切ろうとせず、一つの島を往復するだけでも十分に楽しめます。例えば、尾道からフェリーで向島に渡り、隣の因島までサイクリングするコース。途中、瀬戸田の「ドルチェ」で食べるご当地柑橘を使ったジェラートは、サイクリングの疲れを癒やす最高のデザートです。ランチは、新鮮なタコを使った「たこ飯」をぜひ。自分のペースでペダルを漕ぎ、気になった場所で自転車を停めて写真を撮る。そんな自由気ままな旅が楽しめます。
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アクセス: JR尾道駅周辺や、各島のターミナルでレンタサイクルを借りられます。電動アシスト自転車もあるので、体力に自信がなくても安心。
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ワンポイント: サイクリング中は、こまめな水分補給を忘れずに。また、日差しを遮る帽子やサングラス、日焼け止めは必須アイテムです。
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④【のんびり派】喧騒を離れて心と体を癒す旅
「とにかく静かな場所で、デジタルデトックスしたい」「日頃の仕事の疲れを、根こそぎリセットしたい」そんなあなたへ。
心と体を優しく包み込み、本来の自分を取り戻すための、癒やしの旅をご提案します。
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新緑がまぶしい奥入瀬渓流沿いのリゾート(青森県)
厳しい冬を越え、生命が一斉に芽吹く春の奥入瀬は、言葉にできないほどのエネルギーに満ちています。-
おすすめの過ごし方: 奥入瀬渓流沿いには、約14kmの遊歩道が整備されています。全てを歩くのは大変なので、「石ヶ戸」から「雲井の滝」までの見どころが多い区間を、1時間半ほどかけてゆっくり散策するのがおすすめです。雪解け水で勢いを増した渓流の音、澄み切った空気、そして芽吹き始めたばかりの柔らかな若葉の緑。五感のすべてで自然を感じていると、頭の中の雑念がすーっと消えていくのがわかります。散策後は、渓流沿いに佇むリゾートホテルへ。ラウンジの大きな窓から森を眺めながら読書をしたり、温泉にゆっくり浸かったり。何もしない、という最高のぜいたくを味わい尽くしてください。
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アクセス: JR八戸駅からバスで約90分。
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ワンポイント: 渓流沿いは、平地よりも気温が低いことが多いです。春先はまだ肌寒い日もあるので、フリースや薄手のダウンなど、防寒対策をしっかりとしていくことをお勧めします。
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沖縄の離島でのんびり島時間(沖縄県)
本島のにぎやかさとは対照的に、沖縄の離島には、ゆったりとした「島時間」が流れています。-
おすすめの過ごし方: 例えば、竹富島。赤瓦の屋根と白砂の道が続く美しい集落を、水牛車に揺られてのんびりと進む。聞こえてくるのは、御者さんが奏でる三線の音と、水牛の穏やかな息づかいだけ。ここでは、誰もあなたを急かしません。美しいコンドイ浜で、ただただエメラルドグリーンの海を眺めて過ごす。集落の中にあるカフェで、美味しいマンゴージュースを飲みながら、読みかけの本のページをめくる。そんな「何もしないこと」を、心から楽しむ旅です。
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アクセス: 石垣島から高速船で約10〜15分。島内の移動はレンタサイクルが便利です。
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ワンポイント: 沖縄の日差しは春でも強烈です。日焼け止め、帽子、サングラスは忘れずに。また、小さな島なので、お店が閉まる時間も早いです。夕食の場所などは、事前に確認しておくと安心ですよ。
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瀬戸内海の島々でアート散歩(香川県・岡山県)
「ベネッセアートサイト直島」として世界的に有名なこのエリアは、アート好きならずとも、一度は訪れたい場所です。-
おすすめの過ごし方: 高松港や宇野港からフェリーに乗って、まずは直島へ。草間彌生さんの有名な「赤かぼちゃ」が出迎えてくれます。島内の移動は町営バスかレンタサイクルが基本。地中美術館やベネッセハウス ミュージアムなど、安藤忠雄氏設計の建築とアートが融合した空間は、ただただ圧倒されます。翌日は、豊島へ渡り、豊島美術館へ。建物の中にいるのに、まるで自然と一体になったかのような不思議な感覚は、ここでしか味わえない貴重な体験です。急いで見て回るのではなく、一つの作品とじっくり向き合う時間を持つことで、旅がより深いものになります。
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アクセス: 香川県の高松港、または岡山県の宇野港から各島へフェリーや高速船が運航。
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ワンポイント: 美術館の多くは、オンラインでの事前予約(日時指定)が必要です。特に地中美術館は人気が高いので、旅の計画が決まったら、真っ先に予約を押さえましょう。
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⑤【子連れ派】子供の笑顔が一番!体験型施設で遊ぶ旅
「子供が心の底から楽しめる旅行がしたい。
お花見だと、すぐに『まだー?』って飽きちゃうし…」そんな愛情あふれるパパ・ママへ。
お子さんの好奇心を刺激し、最高の笑顔が見られる、体験型の旅先をご紹介します。
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那須どうぶつ王国で動物と大接近(栃木県)
ここは、単に動物を見るだけの動物園ではありません。動物たちの世界に「お邪魔します」といった感覚で、驚くほど近い距離でふれあえるのが最大の魅力です。-
おすすめの過ごし方: 入国したら、まずはレッサーパンダやカピバラがいる「アジアの森」へ。特に、温泉に気持ちよさそうに浸かっているカピバラの姿は、見ているだけで癒やされます。その後は、広大なファームエリアへ移動し、アルパカと一緒にお散歩したり、馬に乗ったり。猛禽類が頭上ギリギリを飛ぶ迫力満点のバードパフォーマンスショーは、絶対に見逃せません。動物たちの生き生きとした姿に、子供だけでなく大人も童心に返って夢中になってしまいます。
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アクセス: JR那須塩原駅からシャトルバス(予約制)あり。車の場合は東北自動車道・那須ICから約30分。
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ワンポイント: 園内は「王国タウン」と「王国ファーム」の2つのエリアに分かれており、非常に広大です。エリア間は無料のワンちゃんバスが運行しているので、うまく利用して体力を温存しましょう。
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屋内型アスレチック施設でエネルギー発散!
旅の途中で天気が悪くなったり、子供が移動に飽きてしまったり…。そんな時の「切り札」として、行き先近くの屋内アスレチック施設を事前にチェックしておくのは、賢い旅のテクニックです。-
おすすめの過ごし方: 最近は、「トランポリンパーク」「クライミングジム」「巨大なジャングルジム」など、子供が思いっきり体を動かせる全天候型の施設が全国に増えています。「VS PARK」のように、テレビのバラエティ番組のようなアクティビティが楽しめる施設も人気です。子供が夢中で遊んでいる間、親は併設のカフェスペースで見守りながら、ちょっと一息ついてコーヒーを飲む。そんな時間も、旅の中では貴重な休息になります。
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アクセス: 全国の主要都市や、大型商業施設内に併設されていることが多いです。
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ワンポイント: 施設によっては、年齢制限や身長制限があるアクティビティも。また、滑り止め付きの靴下が必要な場合もあるので、事前に公式サイトで確認しておくとスムーズです。
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福井県立恐竜博物館で太古の世界へタイムスリップ(福井県)
巨大な恐竜の骨格標本が、今にも動き出しそうな迫力でずらりと並ぶ。ここは、恐竜好きの子供にとっては、まさに夢のような場所です。-
おすすめの過ごし方: 長いエスカレーターで地下に降りていくと、そこはもう太古の世界。ティラノサウルスのロボットが出迎えてくれます。館内には、44体もの恐竜の全身骨格が展示されており、その大きさと迫力に圧倒されます。見るだけでなく、屋外には化石の発掘体験ができる「野外恐竜博物館」(春〜秋限定・要予約)もあり、これが子供たちに大人気。本物の化石を自分の手で見つけられた時の喜びは、きっと忘れられない思い出になります。
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アクセス: えちぜん鉄道勝山駅からバスで約15分。
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ワンポイント: 2023年にリニューアルオープンし、さらに魅力がアップしました。特に、実物大の恐竜たちがリアルに動く「ダイノアライブ」の映像は必見。週末は混雑するので、こちらも事前予約がおすすめです。
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「桜以外の旅」を成功させるためのQ&A
さて、具体的な旅のイメージは膨らんできましたか?
最後に、実際に旅の計画を立てる上での、ちょっとした疑問や不安に、もう少しだけ詳しくお答えしますね。
Q1. 予約はいつ頃から始めるのがベスト?
A1. 桜の名所ほど予約の争奪戦にはなりませんが、春休みは学生さんや家族連れが動く旅行シーズンであることに変わりはありません。
特に、今回ご紹介したような人気の施設や宿、そして土日祝日の予約は、やはり早めに埋まってしまいます。
「まだ大丈夫だろう」と油断していると、気づいた時には満室…なんてことも。旅の満足度は、事前の準備で大きく変わります。
余裕を持って計画するためにも、1ヶ月半〜2ヶ月前には、宿や交通機関の予約のアクションを起こし始めるのが理想的です。
早めに動いて、希望のプランをしっかり確保しましょう。
Q2. 桜の時期と比べて、費用はどれくらい安くなる?
A2. これは行き先やプランによって様々なので、一概に「いくら安くなる」とは言えませんが、ひとつの目安として、桜の名所として知られる観光地のトップシーズン料金を避けられるため、宿泊費だけでも1人あたり5,000円〜10,000円以上お得になるケースも珍しくありません。
これは決して小さな金額ではありませんよね。
浮いた予算で、現地の美味しいものを食べたり、体験アクティビティに参加したり、ワンランク上のお土産を選んだり…。
旅の満足度をさらに高めるための「ポジティブな投資」ができるのは、本当に嬉しいポイントです。
Q3. 持っていくと便利なものは?
A3. 春の旅で一番気をつけたいのが服装です。
日中はポカポカ陽気で汗ばむくらいなのに、日が落ちると急に空気がひんやりする、なんてことがよくあります。
そこで絶対に活躍するのが、カーディガンやパーカー、薄手のダウンジャケットといった、簡単に着脱できる羽織るものです。
くるくると丸めてバッグに入れておけるような、コンパクトなものが一つあると、本当に重宝します。
また、花畑やハイキングなど、歩くことが多いプランの場合は、おしゃれな革靴よりも履き慣れた歩きやすいスニーカーが、あなたの旅を足元から支えてくれますよ。
Q4. 一人旅でも楽しめますか?
A4. もちろんです!むしろ、「桜以外の旅」は一人旅にこそぴったりかもしれません。
例えば、美術館巡りやカフェ巡り、渓流散策などは、自分のペースでじっくりと向き合える一人旅だからこそ、その魅力を最大限に味わえます。
誰にも気兼ねなく、その瞬間の自分の「好き」という気持ちに正直に行動できる。
これこそが、一人旅の醍醐味です。
今回ご紹介した中では、特に「ポーラ美術館」「奥入瀬渓流」「瀬戸内のアート散歩」などは、一人旅の方に心からおすすめしたい場所です。
春休みの旅行で桜以外のスポットまとめ
ここまで、本当に長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。
「春休み旅行で桜以外」という選択肢が、いかに自由で、創造的で、そして魅力に満ちているかを感じていただけたなら、ブロガーとしてこれ以上の喜びはありません。
最後に、この記事でお伝えしたかった大切なことを、もう一度振り返りますね。
まとめ
・春の旅は、決して桜だけが主役ではないこと
・花粉、混雑、予算高騰といった、春旅の「三大ストレス」から解放されること
・アート、グルメ、絶景、アクティビティと、あなたの「好き」を軸にした旅の選択肢は無限大であること
・インドアからアウトドアまで、その時の気分や体調に合わせて、自由に計画できること
・ほんの少し視点を変えるだけで、旅の満足度は、驚くほど大きく向上すること
「みんなが行くから」という理由ではなく、「私が、心から行きたいから」という理由で旅先を選ぶ。
それだけで、あなたの旅は、誰かのコピーではない、あなただけのオリジナルな物語になります。
そしてその物語は、きっと明日からの日常を、より豊かに彩ってくれるはずです。
さあ、このページを閉じたら、次はあなたの番です。
今回ご紹介した15のアイデアをヒントに、あなただけの最高の春休みを計画してみてくださいね。