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試験の日、カバンにそっと忍ばせた合格祈願のお守り。
初めての出産を前に、不安な夜に何度も握りしめた安産祈願のお守り。
私たちの人生の大切な節目や、日々の暮らしの中で、静かに、でも確かに力になってくれた小さなお守り。
新しい年を迎え、初詣で新しいご縁を結ぶ前に、まずは一年間、私たちを支え、見守ってくれた古いお守りに心からの「ありがとう」を伝えたい。そう思うのは、とても自然で、美しい日本の心ですよね。
でも、いざ行動しようとすると、様々な壁が立ちはだかります。
「授かった神社が、思い出の旅行先で、簡単には行けない場所だった…」
「仕事や育児が忙しくて、どうしても初詣の期間中に神社へ足を運べそうにない…」
そんな時、ふと頭に浮かぶのが「お守りの郵送での返納方法」という選択肢。
けれど、ネットで調べてみても断片的な情報しか見つからず、「結局、神様に失礼にあたらないの?」「封筒の書き方はこれで合ってる?」「お金は本当に必要なの?」と、疑問が疑問を呼び、かえって不安が増してしまう…。
何を隠そう、私自身も数年前に転勤で遠方に引っ越し、大切にしていたお守りをどうお返しすればいいか分からず、机の引き出しの奥にしまったまま、「申し訳ないな…」という気持ちを抱えて何か月も過ごしてしまった経験があるのです。
この記事は、そんなかつての私と同じように、感謝の気持ちは人一倍あるのに、正しい作法が分からずに一歩を踏み出せないでいる、心優しいあなたのための「完全ガイド」です。
この記事では、単なる手順の解説に留まりません。なぜそうするのかという背景にある文化や想い、そして全国の郵送返納に理解のある神社のリストまで、あなたのすべての「?」が「!」に変わる情報をお届けします。
読み終える頃には、心の中のモヤモヤはすっきりと晴れ渡り、自信を持って、そして何よりも晴れやかな気持ちで、大切なお守りを神様のもとへとお返しできるようになっているはずです。さあ、一緒に一歩ずつ、感謝の旅路を進んでいきましょう。
この記事のポイント
・郵送での返納は作法を守れば失礼にあたらない
・返納先は基本お守りを授与された神社
・お焚き上げ料として感謝の気持ち(志)を同封
・お金を同封するため郵送方法は「現金書留」
・封筒には「古札お焚き上げ御願い」と記載
・郵送対応の有名神社リストを掲載
まずは安心!お守りの郵送返納は失礼にあたらない
感謝の気持ちを込めてお返しすることが最も大切
この記事で、私が一番先にお伝えしたいこと。それは、あなたの心にある一番大きな不安を、そっと解きほぐすことです。
「お守りを郵送で返納するなんて、罰当たりじゃないだろうか…」
結論からお伝えしますね。まったく、そんなことはありません。どうぞ、心の底から安心してください。
日本の神様、そして神道という考え方の根底には、「中今(なかいま)」という素晴らしい精神が流れています。これは、「過去を悔やんだり、未来を憂いたりするのではなく、今、この瞬間を最も大切に生きる」という教えです。つまり、現代を生きる私たちの生活様式や、やむを得ない事情に合わせて、その時々で最善の方法で真心を尽くすことが、何よりも尊いとされるのです。
考えてみてください。お守りを返すという行為は、いわば一年間お世話になった下宿先の大家さんに、「ありがとうございました」と感謝を伝えて鍵を返しに行くようなものです。大切なのは、直接顔を合わせてお礼を言うことだけが全てではなく、「心からの感謝を伝える」という、その気持ちそのものです。
私自身、以前どうしても返しに行けないお守りについて、勇気を出してとある神社に電話で問い合わせたことがあります。その時、電話口に出られた宮司さんが、こんな風におっしゃってくださいました。
「神様はいつでも、あなたの心を見ていらっしゃいますよ。物理的な距離や形よりも、あなたが今、感謝しよう、きちんとお返ししようとしてくださっている、そのお気持ちが一番まっすぐに届きますから。どうぞ、ご安心ください」
その温かい言葉に、心がすっと軽くなったのを今でも鮮明に覚えています。
また、「お焚き上げ」は、単に古いものを燃やして処分する行為ではありません。神聖な炎の力によって、お守りに宿っていた神様の力を天にお還しし、私たちの感謝の気持ちを煙に乗せて届ける、という非常に美しい意味を持つ神事なのです。
ですから、罪悪感を抱く必要は一切ありません。むしろ、事情がある中でも疎かにせず、きちんと感謝を伝えようとする、その美しい心こそが、神様が最も喜んでくださることなのです。
お守りはどこへ返納する?郵送先神社の探し方
心が少し軽くなったところで、次に「どこへお返しすればいいのか」という具体的なお話をしていきましょう。これも、いくつかの選択肢があります。
原則は「授与された神社」へ
お守りの返納先として、最も丁寧で理想的なのは、やはりそのお守りを授かった(購入した)神社です。
お守りは、神様の力が宿った「分霊(わけみたま)」、つまり神様のエネルギーの分け御霊であると言われています。それは、あなたと神様を結ぶ、特別な「ご縁の証」なのです。ですから、一年間私たちを守ってくれたその力を、元いた場所へお返しする、いわば「里帰り」させてあげるのが一番自然で美しい形と言えるでしょう。
お手元のお守りを、少しだけじっくりと眺めてみてください。その神社を訪れた時の澄んだ空気、木々のさざめき、引いたおみくじに書かれていた言葉…。お守りは、そんな素敵な記憶のしおりでもありますよね。その思い出とともに、感謝を伝える。それが、授かった神社へお返しするということなのです。
別の神社でも可能?受け付けてくれる神社の探し方
「授かった神社が、新婚旅行で行った北海道の神社なんです…」
「申し訳ないことに、どこの神社で授かったかどうしても思い出せなくて…」
そんな場合も、大丈夫です。授かった神社でなくても、お焚き上げを受け付けてくれる神社はたくさんあります。これは、A神社のお守りをB神社に返すのが、小学校の卒業証書を、引っ越し先の中学校に持っていくような気まずいものではなく、むしろ地域の公民館が「どこの学校のものでも、皆さんの思い出の品は、私たちが責任を持って大切にお預かりしますよ」と言ってくれるような、日本の神社の温かい仕組みなのです。
ただし、注意したいのは、全ての神社が郵送での返納にいつでも対応しているわけではない、という点です。そこで、受け付けてくれる神社をどう探せばいいか、具体的な方法をご紹介します。
【探し方】
- 近くの神社の公式サイトを丁寧に確認するまずは、ご自身がお住まいの地域の神社や、馴染みのある神社の公式サイトを見てみましょう。サイト内に「よくあるご質問」や「お知らせ」、「ご祈祷・授与品」といったページがあり、そこに「古札返納について」「郵送での受付」といった案内が書かれていることがあります。
- 神社の公式サイトが見つからない場合は、勇気を出して電話で問い合わせるすべての神社が立派な公式サイトを持っているわけではありません。そんな時は、電話で直接問い合わせてみるのが最も確実です。少し緊張するかもしれませんが、きっと丁寧に対応してくださいます。「恐れ入ります、古いお守りをお返ししたいと考えているのですが、郵送での返納は受け付けていらっしゃいますでしょうか?また、もし可能でしたら、初穂料の目安などもお伺いできますでしょうか?」このように、目的と聞きたいことをはっきり伝えれば、スムーズにお話が進みます。
- Googleで「(地域名) 神社 古札 郵送」などと検索してみるインターネットで検索してみるのも有効な方法です。同じように郵送での返納を考えている方のブログ記事や、神社の情報サイトが見つかることがあります。ただし、個人ブログの情報は少し古い場合もあるので、最終的には公式サイトや電話で確認するのがおすすめです。
【2025年版】全国の郵送返納に対応している有名神社リスト
もし授与された神社が郵送を受け付けていない場合や、どこの神社か分からない場合は、年間を通して郵送での古札・お守り返納を受け付けている神社へお願いするのも一つの素晴らしい方法です。
ここでご紹介するのは、公式サイトなどで郵送返納について明確に案内しており、遠方からの感謝の気持ちに深くご理解を示してくださっている神社の一部です。あなたの想いを託す、新たなご縁の参考にしてください。
※ご注意:情報は変更される場合があります。郵送前には必ず各神社の公式サイトで最新の規定や送付先、初穂料の定めなどを改めてご確認ください。
関東エリア
- 東京大神宮(東京都)
- 特徴: 「東京のお伊勢さま」と親しまれ、縁結びの神様として絶大な人気を誇る神社です。日本で初めて神前結婚式を行ったことでも知られ、良縁を願う多くの人々が訪れます。そのご利益にあやかりたいと願う参拝者の気持ちを汲み、郵送でのご祈祷やお守りの授与にも力を入れています。
- 公式サイト:郵送祈祷の案内ページで古神札の返納についても触れられています。
- 大宮八幡宮(東京都)
- 特徴: 約1万5千坪もの広大な鎮守の杜に包まれた、「東京のへそ」とも呼ばれる神社。都心にありながら、一歩足を踏み入れると空気が変わるのを感じられます。特に安産・子育てのご利益で篤い信仰を集めています。
- 公式サイト:「古神札の郵送受付について」という専用ページで詳しく案内されています。
- 産泰神社(群馬県)
- 特徴: 古くから安産・子育ての神様として名高い神社です。こちらの特筆すべき点は、公式サイトのコラムで郵送返納の作法が写真付きで非常に分かりやすく解説されていること。これは、安産祈願などで訪れる妊婦さんをはじめ、様々な事情で直接来られない参拝者の気持ちを深く理解し、寄り添おうという温かい姿勢の表れと言えるでしょう。
- 公式サイト:アクセスや由緒のページをご確認ください。
- 星川杉山神社(神奈川県)
- 特徴: 横浜の穏やかな住宅街に鎮座し、地域の人々に深く愛されている神社です。公式サイトのブログでは、郵送でお守りが届くことに触れており、遠くから寄せられる一つひとつの感謝の気持ちを、大切に受け止めてくださっている様子が伝わってきます。
- 公式サイト:ブログやお知らせをご確認ください。
関西エリア
- 出雲大社(島根県)
- 特徴: 「因幡の白兎」の神話でも知られる、縁結びの神様・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)をお祀りする、日本を代表する大社です。拝殿にかけられた巨大なしめ縄は圧巻の一言。恋愛だけでなく、仕事や友人関係など、あらゆる「ご縁」を結ぶ神様として信仰されています。
- 公式サイト:「古神札焼納祭」の案内ページで、郵送での返納方法が記載されています。
- 伏見稲荷大社(京都府)
- 特徴: 朱色の鳥居がどこまでも続くように連なる「千本鳥居」は、あまりにも有名で幻想的。全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮であり、商売繁昌・家内安全のご利益で、古くから多くの人々の信仰を集めています。
- 公式サイト:「よくあるご質問」のページで、遠方からの返納方法について回答されています。
その他のエリア
- 伊勢神宮(三重県)
- 特徴: 日本の総氏神ともいわれる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする内宮(ないくう)と、衣食住の神様である豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする外宮(げくう)を中心とした、すべての神社の本宗(ほんそう)です。「お伊勢さん」と親しまれ、一生に一度は訪れたい場所として、多くの日本人の心の拠り所となっています。
- 公式サイト:「古いお神札を納めるには」というページで、郵送での返納方法が案内されています。
【5ステップで解説】お守りの郵送返納 完全手順
さあ、いよいよ実践編です。ここからは、誰でも迷わず、そして心を込めて準備ができるように、5つのステップに分けてお守りの郵送返納の具体的な手順を、その理由と共にとことん詳しく解説していきます。一つひとつ、丁寧に進めていきましょう。
ステップ1:返納するお守りとお金(初穂料)を準備する
まず、お手元にある、一年間お世話になったお守りを全て集めましょう。
次に、お焚き上げをしていただく感謝の気持ちとして、お金を用意します。これは「御初穂料(おはつほりょう)」や「お焚き上げ料」と呼ばれます。「初穂」とは、その年に初めて収穫されたお米の穂のこと。古来、人々は収穫への感謝として、その初穂を神様にお供えしてきました。その風習が、現代ではお金という形に変わったのです。つまり、これは単なる手数料ではなく、あなたの感謝の気持ちそのものなのです。
金額に厳密な決まりはありませんが、一般的にはお守りを授かった時と同じくらいの金額(500円~1,000円程度)が目安とされています。もし複数のお守りを返す場合は、その合計額に近いキリの良い金額をお包みすると良いでしょう。
このお金は、のし袋(水引が紅白の蝶結びのもの)か、なければ無地の白い封筒に入れます。そして表書きには、筆ペンか黒のペンで「御初穂料」または「お焚き上げ料」と書き、その下に自分の名前をフルネームで記入します。
ステップ2:お守りを丁寧に梱包する
次に、主役であるお守りを梱包します。これは、単なる作業ではありません。一年間頑張ってくれたお守りを、そっと休ませてあげるような、そんな気持ちで行ってみてください。
お守りをそのまま封筒に入れるのではなく、白い半紙か、きれいなコピー用紙で丁寧に包んであげましょう。神道において「白」は、清浄や神聖さ、誠実さを象徴する特別な色です。白い紙で包むという行為は、「私は清らかな心で、敬意をもってお返しします」という、言葉にならないメッセージなのです。
複数のお守りがある場合も、一つにまとめてそっと包んであげて大丈夫です。このひと手間が、あなたの感謝の気持ちを、より深く、より美しく伝えてくれます。
ステップ3:封筒の宛名と表書きを正しく書く
梱包が終わったら、いよいよ封筒の準備です。私が初めて郵送返納をした時、実はこの封筒の書き方に一番緊張しました。「御中」ってどう使うんだっけ?と調べ直したほどです。でも、ポイントさえ押さえれば全く難しくありません。
まず、中身が透けず、少し丈夫な封筒を用意します。
表面には、返納する神社の郵便番号、住所、そして神社名を正確に記入します。神社名の下には、個人宛の「様」ではなく、団体・組織宛の「御中(おんちゅう)」と書きましょう。
そして、ここが一番大切なポイントです。
封筒の表面、宛名の横の空いているスペースに、赤色のペンで「古札お焚き上げ御願い(こさつおたきあげおねがい)」とはっきりと書きましょう。
なぜ赤字なのか。これは、神社の方が毎日多くの郵便物を受け取る中で、神様に関わる神聖なものであることをすぐに見分け、他の郵便物と混ざらないよう、丁寧に取り扱っていただくための「相手への配慮」であり、「思いやり」なのです。
最後に、裏面にご自身の郵便番号、住所、氏名を忘れずに記入しましょう。
ステップ4:感謝の手紙を添える(任意)
これは必須ではありませんが、もしよろしければ、ぜひ実践していただきたいのが「感謝の手紙」を添えることです。これは、神様への一年間の「活動報告書」のようなもの。あなたの感謝が、より具体的に伝わります。
ほんの小さな一筆箋やメッセージカードで構いません。一年間、あなたを見守ってくれたことへの感謝の気持ちを、ご自身の言葉で綴ってみましょう。
【文例1:シンプルな感謝】
〇〇神社様
昨年一年間お守りいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、家族一同、健やかに過ごすことができました。
感謝を込めてお返しいたしますので、お焚き上げのほど、よろしくお願い申し上げます。
(ご自身の住所・氏名)
【文例2:願いが叶ったお礼】
〇〇神社様
こちらの合格祈願のお守りを授かって以来、日々励みをいただき、無事に第一志望の大学に合格することができました。
本当に、本当にありがとうございました。
感謝の気持ちでいっぱいです。お焚き上げのほど、よろしくお願い申し上げます。
(ご自身の住所・氏名)
このように、どんな願いを込めていたか、どんな風に感謝しているかを少し加えるだけで、とても温かい、あなただけの手紙になりますよ。
ステップ5:郵便局から「現金書留」で郵送する
全ての準備が整いましたら、いよいよ郵送です。
ステップ1で用意したお金(初穂料)を同封するため、郵送方法は必ず郵便局の窓口から「現金書留」を利用してください。
普通郵便やレターパックで現金を送ることは、郵便法で明確に禁止されています。これは法律上のルールであると同時に、あなたの大切な感謝の気持ち(お金)とお守りを、安全かつ確実に神社へ届けるための、最善の方法なのです。現金書留には、万が一の場合の損害賠償と、荷物の追跡サービスが付いています。
郵便局の窓口で「これを現金書留でお願いします」と伝えるだけで、あとは局員さんが丁寧に対応してくれます。専用の封筒もその場で購入できます。意外と簡単ですので、ご安心ください。
これで迷わない!郵送返納に関するQ&A
最後に、多くの方が疑問に思う細かな点をQ&A形式でまとめました。これで、あなたの「どうしよう?」は、すべて「こうすればいいんだ!」に変わるはずです。
Q. 返納する時期に決まりはありますか?
A. 特に厳密な決まりはありませんので、ご安心ください。
一般的には、新年を迎えてから松の内(1月7日、地域によっては15日)までや、各地で「どんど焼き」というお祭りで古いお守りや正月飾りをお焚き上げする1月中旬頃までに返納するのが良いとされています。
ですが、これはあくまで目安です。神社では年間を通して古いお札やお守りの返納を受け付けているところがほとんどですので、時期が過ぎてしまったからといって焦る必要は全くありません。大切なのは、あなたの感謝の気持ちが固まった、ご自身のタイミングです。
Q. 破魔矢や熊手、お札も一緒に送れますか?
A. 基本的には、お守りと同様に郵送での返納が可能です。
ただし、破魔矢(はまや)は魔を破る矢、熊手(くまで)は福をかき集める縁起物、お札(おふだ)は神様の力が宿る依り代と、それぞれに大切な意味があります。これらはサイズが大きいため、梱包方法や郵送方法(定形外郵便やゆうパックなど)、そして送料も変わってきます。
また、神社によっては大きなものの郵送を受け付けていない場合も考えられます。
そのため、これらを返納したい場合は、必ず事前に神社へ電話などで問い合わせ、どのようにすればよいか指示を仰ぐようにしましょう。自己判断で送ってしまうのは避けるのが賢明です。
Q. 家族や友人のお守りを、まとめて返納してもいいですか?
A. はい、問題ありません。
ご家族の分を代表して返納する場合など、複数人分のお守りをまとめて郵送しても大丈夫です。その際は、初穂料を少し多めにお包みしたり、添える手紙に「家族〇〇、〇〇の分も合わせてお返しいたします」のように一言書き加えたりすると、より丁寧でしょう。
Q. お守り袋の中身はどうすればいいですか?開けてもいい?
A. お守りの袋は、開けずにそのままの状態で返納するのが作法です。
お守り袋の中には、神様の力が宿った内符(ないふ)が入っています。この袋は、神様の力を守り、留めておくための大切な結界のようなもの。興味本位で開けてしまうと、力が逃げてしまうとも言われています。一年間あなたを守ってくれた状態のまま、感謝を込めてお返ししましょう。
Q. 神社に無事届いたか確認できますか?
A. はい、確認できます。
ステップ5で解説した「現金書留」には、追跡サービスが付いています。発送時に受け取る控えに記載された「お問い合わせ番号」を、日本郵便のウェブサイトで入力すれば、あなたの送った封筒が今どこにあるのか、そして無事に神社に届けられたのかをリアルタイムで確認することができます。
神社側から「受け取りましたよ」といった個別の連絡が来ることは基本的にありません。ですので、この追跡サービスで「配達完了」の表示を確認できれば、あなたの感謝の気持ちは、無事に神様のもとへ第一歩を届けられた、と安心して良いでしょう。
まとめ
・お守りの郵送返納は感謝の気持ちを込めれば失礼にあたらない
・返納先は授与された神社が原則だが他の神社でも可能な場合がある
・お焚き上げ料(初穂料)を準備し白い紙でお守りを包む
・封筒の表には赤字で「古札お焚き上げ御願い」と書く
・お金を同封するため必ず「現金書留」で郵送する
・感謝の手紙を添えるとより気持ちが伝わる
・時期は厳密に決まっておらず自分のタイミングで返納して良い
いかがでしたでしょうか。
お守りの郵送での返納方法は、一つひとつの手順に込められた意味を知ることで、決して難しいものでも、冷たいものでもなく、とても温かい感謝の表現なのだと感じていただけたなら、これ以上に嬉しいことはありません。
古いお守りを手放すことは、「別れ」ではありません。感謝とともに一つのサイクルを終え、新しいご縁と、新しい一年を迎えるための、大切な「準備」なのです。
この記事が、あなたの心のつかえを解き、清々しい気持ちで次の一歩を踏み出すお手伝いができたなら幸いです。これで、心置きなく新しいお守りをお迎えできますね。
あなたの新しい一年が、素晴らしいご縁と幸運に満ち溢れたものになりますように。